涸沢の旅

数年ぶりに山旅の記事を書きます。

かつての記事は立山の記事でしたっけ。コロナ禍の前の山旅でしたね。今回記事は岐阜県の山奥上高地へ向かい、バスターミナルより歩いて横尾山荘を目指し涸沢に向けて歩いていきます。その道中では広大な雪原というか氷河の上にある「涸沢ヒュッテ」という小屋までの山歩きの旅の記事となります。

昨年も流行り病の殆ど影響のない時期が5月頃でした。その時にも実は登っています。昨年はテントを担いで途中で一泊。なんと雪が降ったwそして朝5時ころから涸沢に向かってあるいてヒュッテでビールと昼食を摂って降りるコースでした。

今年は、朝5時に平湯温泉到着、バスに乗り換えて上高地から朝7時出発となります。ゆっくりとした足取りです。

バスに乗って上高地へ

上高地に向かうバスの中。岐阜県高山の方向から乗るときは「だいあかんだな駐車場」に車を停めて乗ります。駐車料金は一泊二日で大体1200円。バス賃は上高地往復で2050円である。半券一枚渡して帰りではもう一枚は無くさないように大事に懐へ仕舞っておきましょう。自分はウルトラライトのサコッシュにジップロックに入れたお金札類の財布に入れています。これで雨などで濡れることもない。縦走登山旅の知恵です。

バスは平湯温泉を経由。

大正池です。水面は波もなく焼岳が写っているかもしれませんね。焼岳は今も活火山です。この日も山頂から煙がもくもくしていました。

上高地

上高地バスターミナルの玄関口。ここで登山届を提出します。奥に見えるのは奥穂高岳です。

サルが親子でノミ取りしてました。かわいい。

バスターミナルより歩いて5分程度のところに河童橋があります。その上から撮影。下に見えるのが梓川であります。奥に見える雪山が奥穂高山と言ってもいいかな。連峰なので見えているものを全部言うと結構なピーク数がありますw正面の下にある雪の塊のところには岳沢小屋があります。

今回はその方向ではなく横尾目指して歩きましょう。

先ほどの河童橋から1時間程度で明神館(宿)が見えてきます。帰りはここで小休止します。行きはとにかく時間を稼ぎたいのでこのままスルーしました。

途中朝なのでまだ寝ぼけているつぼみの小さい白い花ニリンソウが一面に広がっています。これぞ上高地。お花畑が広がっています。さらに一時間あるきましたところ、次へ

徳澤園で朝食をw

ちょうど9時すぎ。徳澤園に到着。ここはキャンプ地としても利用できる場所。かつては牧場がありまして綺麗な場所なんですよ。水も綺麗だし、施設も整っています。徳澤園のブルーベリートーストとカフェラテを朝食にします。ぱぱーっと食べてさらに1時間ちょっとあるくと横尾に到着。

横尾大橋。向こうに見えるのが屏風岩。ロッククライミングの聖地なのだそうです。こわーw

吊り橋になっています。午後二時からこの橋渡るべからずと書いておりました。というのもここから涸沢までが大体三時間。天候が変わったりするとまずいことになるかもしれませんしね。

橋を渡って先に進んでいく途中の屏風岩です。見るからに絶壁。秋ごろはオレンジ色の木に囲まれてもっと綺麗なんです。さらに進んでいくごとに山の傾斜がきつくなってきます。とは言え息が上がるほどじゃないですが。

いよいよ雪の登山

本谷橋です。橋と言っても橋はまだかかっておりませんね。昨年は雪がほとんどなくて橋がかけられていましたが、今年は雪山がぼてっと山盛りになってて橋を架けられなかったようです。川は簡単に渡れますのでご安心を。向こう岸でアイゼンを装着します。

さて、こっからが本格的な登りになります。5年前は2時間半で到着したんだけど今年は4時間くらいかかっちゃった。

雪渓を歩く

この写真から分かりますか?手前に2名、その奥に1名。さらにその奥に1名、3名、とありんこのように上に向かって列をなしています。歩くところはトレースラインに沿ってみんな移動します。途中ガレ場があったりしますし、上から岩が降ってくるところもあるのでみんながそれぞれに注意しながら進みます。もしも落石があれば「ラァーック」と叫んで周囲に知らせます。そう、あれはSガレの手前30分のところ、私はすれ違いのため斜面の細い道の上で待ちしておりました。その時、「ガラガラガラ」こちらに向かっている男性がラーック!と大声で叫びました。とっさに振り返った私、20mほど離れたところでしたが大きな大小いくつもの岩がゴロゴロと上から転がり落ちてきます。1mmくらいの大きな岩が雪の上から落ちてきました。幸い人のいないタイミングだったんで良かったですが、近くて危なかった。でも日中の気温んお上昇で地面が緩んできて落下するのですね。

ゴールの小屋へかなり近づいてきました。お盆の底にいるような写真になります。これが数万年かけて氷河が削って出来がカール地形なんですな。しみじみと自然の奥深さを感じ取れる場所。パワースポットです。

涸沢ヒュッテ

小屋に到着しました。では恒例の温かいおでんとビールで乾杯します。残念ながら「おでんの卵が無くて割引中ですが、いかがなさいますか?」と。えー晩御飯まで3時間くらいしかないのでカレーとかラーメンは無理っす。ということで卵無しおでん(´;ω;`)でも

この景色は何にも代えられない味となります。雄大な光景を見ながら飲むビールは格別でありました。ちなみに気温は10℃以下。その辺の日陰で2℃程度w缶ビールほったらかしでも冷え冷えですw寒いんですよ。日本酒のほうがいいかもよ。おなかも膨れたのでこの後宿泊の手続き。

トラブルも旅のうち

「ご予約はありましたか?」と聞かれて「え!」いつから予約制になったんだ、知らなんだ。やっべー。「追加料金がかかりますがよろしいでしょうか?」とのことで背に腹は代えられません。これから下山は勘弁。追加で2kしましたけど、合計15kです。

で、指定された部屋にいくと、トラブル発生です。なんと先客のザックがあるじゃないですか。ありゃん。「もしかしてコロナの影響で部屋が仕切りついて、1区画2名とか?意味ないだろうそれ。」と、思いつつもう一回受付へ「あの~、かくかくしかじか」と。幸いあちらの手違いで一つずれていたらしいです。

なんとか間違って入っていたお客さんともトラブルなくちゃんと入室できました。

一泊二日の山旅です。小屋なので贅沢は言えませんが、例えばテント泊するためにはここまでテントとシュラフ、防寒着多数で12キロは担ぎませんとね。食料は小屋の売店で食べて持参無しとしても、テントの中って暖かいなんて言っても夜中室内気温0℃以下になります。しかも断熱材の外に尻が動いた時には凍傷もんですw大げさですけどw

予約制になっていたなんてのは調べ不足だったんで仕方ないですが、15kでも俺は納得。実はコロナ禍で値段がめっちゃ上がってるって聞いてて予想より低かったのもあるw

はためく「こいのぼり」

夕食おいしかった。

お待ちかねの夕飯です。二食付きでオーダーしてあります。レンコンのから揚げ、アジフライ、しゅうまい、ゴボウのサラダ、キャベツにトマト、野沢菜、鳥の甘辛煮。手前の黒っぽいのはナスの煮びたし。みそ汁とご飯はお代わり自由。店員さんに手を挙げて「これくらいで。」と言えばこれくらいのごはんが戻ってくるw大盛でという人も大勢います。夕飯はごはん二杯食べました。美味しかったです。ご馳走様。

実は個室部屋になっています。今後これがデフォになるのか。数年前に泊まった時は新館で横一列の雑魚寝。隣の30センチしか離れてないおっさん(私もおっさんだけどw)のいびきに耐えながら寝たもんですが、今回はとても快適。個室になってるから温度も下がりにくいしね。幅の狭い煎餅布団だけど敷布団と掛け布団毛布があります。自分は簡易シュラフシーツに入って毛布を上からかけて寝ることにします。

荷物のすべてはこういった防水バックに入れています。食器類はメッシュバック。衣類やカメラやバッテリーなども防水バックへ。テントでも一緒、布団身の回りに並べていつでも取り出せるようにしておきませう。この夜5回は足吊りを起こしました。太ももが吊ります。ダム(ふくらはぎの事だ)が吊ります。右が吊ったと思ったら左も吊る。あまりの理不尽な波に「いっ・・、うぁ、、うぉッ」うめき声が出てしまう始末。日頃の練習不足が祟っています^^;

普段3時間半程度の山行ですからね。今回は上高地から合計すると7時間行動でした。間に飲んだ水が少なすぎたかもしれません。ちょっとした脱水になってたのか体中の水分が筋肉から失われた感じ。がぶがぶ水を飲みました。自販機の缶酎ハイも2本飲んだけどねw

月明かりのGW

夜中1時トイレに行った。その時に長時間露光。

テント村を見てみる。

そういえばこの日のテントは100張り程度だったかな。3年前はアレの3倍は張ってて、スペースがぎちぎちだったんだけど。以前のようにはお客さんいらっしゃってないのかも?

月明かりをバックに四峰に後光が輝いてるw右のこぶ山が前穂高ですね。

穂高岳山荘のコルの下にベロが伸びています。それがザイテングラードでその横があずき沢。いつか体力戻して登りたい。

写真の中央奥に見える光(白い点)のあるところが北穂高小屋です。夜のほうが分かりやすいですね。

いろいろと注意書きがあります。

小屋の夜は静か。このオレンジ色の山小屋で金の続く限り連泊しても飽きないと思う。一日休んだら次の山、その次の日はあっちの山。なんて遊びが出来たらいいのに。仕事もあってそんなことは夢のまた夢。大事にしたい大好きな場所です。

モルゲンロートは早々に

朝4時50分ころモルゲンロートを見に外に出た。

まだ時間が早いみたい。

ヒュッテ主人が書いた解説図。漫画「岳」の中にも登場する人物です。

さて、もうちょっと朝日に照らされて赤く染まるのですが、ここで朝ごはんの時間になるので部屋に戻ります。

ほどなくして「朝食ノ準備ガトトノイマシター」のカタコトの声。スリランカ?インド?の学生が小屋番にいらした。上の写真が朝ごはん。隣の人はまずは一杯目を食う。二杯目になって生卵を割ってTKGにしていた。なるほどそれで一杯目が爆速だったんだな。自分は下山のみなので一杯で十分でした。もし、ここから登るとなると11時ころに山頂になるからご飯二杯でも少ないかもしれないねぇ。

下山

荷物をまとめて靴とスパッツ、アイゼンを掛けて帰りはピッケルを手に持ち歩くことにします。下りのほうが足に負担がかかるし何かと準備は大事です。

さらば2023春の涸沢。穂高よ。

今の朝7時ころに登っている人は前日横尾出発の人だ。一行はテント装備されていた。明日の天気が良いことをお祈りいたします。

上高地に向けて岐路の途中。前日みたつぼみだった花が綺麗に花弁を開いていました。かわいらしい白い花「ニリンソウ」この湿原に一面咲いているのです。澄んだ空気、倒木の朽ちた苔むした湿原。なんともここは天国のような場所です。下界とは隔絶された楽園と言ってもいい。大げさですが私はここで時間を過ごせる、その頑張った去年一年に感謝でございまして、ここに来ることは自分の大切な時間なのです。

河童橋から穂高の方向。海外の観光客もわんさか。

さて、この後はお土産に五千尺ホテルのロールケーキを買って帰るのですが、そのロールケーキ前はふんわりしていたのが重たくてがっしりロールケーキになってた。前に戻してほしいな~。と思ったり。

帰りのバスは長蛇の人の列で臨時便から2巡待って、やっと「あかんだな駐車場」へ。

マイカーで平湯温泉「湯の森」でひと風呂浴びて岐路につきました。

今年も無事涸沢バカンスが出来ましたことをご報告いたします。

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