小サイズ「KV2」ジオラマの作りかた解説 ③

KV2のピンチ

まずは完成写真

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以下完成までの経緯をまとめますね。

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まずはベースとなる大きさを決めておきたい。今回のベースは土台がしっかりとした木製であり、広さ的にちょうど良いものを選んだ。若干はみ出るがそこはジオラマの楽しい動きとして表現の粋というものだと思います。

なのである程度オブジェクトやストラクチャーがはみ出てもしっかりと固定さえしていればokというのがpzeroのスタイルです。

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この箱はフタが付いたものなので金具類は今回邪魔になるので除去します。珍しい形の箱や台であればそれを生かす時もありでしょう。臨機応変に楽しもうじゃないですか。

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スタイロフォームを用意します。自分は塗装するときに使用しているものを使っています。穴だらけなのは逆に接着剤が浸透するので有利かも?!金尺をあててカット。出来るだけ垂直にカットしたいところですが、人間の手仕事はいい加減なのよね。2枚以上の厚みのあるスタイロは切った角度にばらつきができて後から外壁を作る時に非常に邪魔になります。今後は対策します。

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スタイロフォームに速乾タイプの木工ボンドを塗ります。黄色いのが速乾タイプ。白いのはノーマルタイプで売られていますよ。

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地面にゴロゴロ感や凸凹の感じを出したいのでスタイロフォームのきれっぱしを芸術的に配置^^;木工ボンドで固定するのですね。

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さて、石膏モールドを出してきてここに焼石膏を流し込んで固めます。地面はいろんな表情を持たせた方が楽しいから。同じ地面は出来ません。実際の道路やアスファルト人口で作られた後縁ではないところをご覧ください。全く違う。人が手を入れてないとまっ平な地面なんてないんです。しかも川の土手設定ですし。

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石膏が固まったらモールドから外します。これはノッホのやつですな。詳細はこちらへ

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側面に木工用ボンドを塗って

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ボール紙を張りつけました。今回は地面を作る前に壁面を優先としました。だんだん経験値が積まれてきますのでアップデートされています。前回はバルサ材を使った木製外壁を作りましたが材料の入手のしやすさを考えると絶対的有利にあるのが100ショップにあるボール紙(厚紙)です。同ショップの水性ペンキで塗装すると材質が解らなくなるくらいなので紙でいいかと思いました。今回は水表現でエポキシ樹脂を使います。ここで出てくるのが目張り材。どうしようか最後の方の計画も頭の中でぐるぐるさせつつも紙を選んだのです。どうなることやらでしたけど結果はまずまずよろしかったですね。

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スタイロフォームと紙の壁面には隙間が出来上がるのでここは紙粘土とか石粉粘土で埋めてやりますね。紙粘土系も100円でうられていますので簡単にジオラマ製作が出来ます。材料費が高くならないことも続ける理由になるので大事なことですね。

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石膏で作ったモールドも貼り付けました。粘土はこの石膏モールドの裏面の形状を柔軟に支えてくれるのでスタイロフォーム→粘土→石膏岩の順は守らねばなりません。ゴツゴツしたところと土の部分は明確に分けてある方が表面は面白い表情が出ます。そしてさらにそれぞれをまとめる役としてティッシュなどの繊維を上から張り付ける方法です。以前の記事にも述べておりますが、地面においての岩や土でのの隙間は邪魔です。スケール的にほぼ見えないものであります。自分は山などを良く登ってその時々の形を観察します。重機が入ることのできる高度での地面の隙間はありません。寧ろ邪魔で不自然ですなぁ。邪魔なので繊維で詰めています。

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タミヤテクスチャペイントを使います。これで土独特のねっとり感が補えます。地面の細やかな石ころや草のモリモリした感じの下地となるものなので選んでいます。またこれ以外には粘土をもっとしゃびしゃびにして岩以外に塗りつけ上からシーナリーパウダーやらをまぶす方法もあります。便利なのでこれを選んでいます。

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上に紹介したタミヤのテクスチャーペイントを塗って熱帯魚用の砂とか園芸用のゼオライトとかなんか解らない小石や砂を上からまぶします。テクスチャペイントには糊の成分があって十分くっ付ける力がありますが出来るだけボンドを水に溶いたものを使って補助的に固定しておきます。乾いた後でポロポロ取れてくるのはオブジェクトが汚れる原因になりますしね^^;

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さて、ここから針葉樹の製作です。この方法は海外の模型誌に紹介されていました。ヤシ素材のシートがありますのでこれを切ってまいります。

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スケール感を損なわないように大中小にカットし丸く角を取り除きました。これを指でもみもみしていくと端っこからほぐれてきます。

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ほぐれてきたところを爪楊枝や竹串に刺してボンドで固定します。

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換装したら枝打ちをして塗装します。こういった時の塗装ではスプレーが圧倒的に有利です。そして使うスプレーは格安の缶スプレーアサヒペンのアクリルスプレーを使いました。

  • 一々エアブラシ出さなくていいのは本当に時間短縮につながります。
  • お勧めします。家庭用なので安い。
  • 模型用のスプレーはこういうものに使うのは割高です。
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配置を決めておきました。大体こんな風にします。杉を三本にしたのは視た感じ二本は寂しいのと隠れている感じも出ない。しかし川べりであまり背の高い木が生えているだろうか。中くらいの高さの杉とかヒバを想像しました。曲がっている?そうです。KVが踏みつけたり押しのけたりしたのもあるのですが、木がまっすぐに生えているよりも若干斜めになっている方が見えやすいのでわざと外に振ることにしました。動きがでて面白いよね。あ、これは真似しなくてもいいですよ。私の個性なので。

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木やオブジェクトの配置が決定したら場所が元に戻るようにマキングします。爪楊枝などでここに気が来るとか車両が来ることを明示しておきますね。その後地面をもう少し足してまいります。

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実際の山に入って川べりの土手を観察するとそりゃ様々な植物がうっそうとしていますよ、中でも特徴のある形だけをとらえて表現したいところです。1/72と考えますと草もいらないのかもしれないな。ま、でも、演出だなw

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スプレーで黒くしました木です。木!わはは。黒じゃなくても茶色もありですね。下の方はグレーでもいいかもしれません。

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木の方にはスプレーのりを使います。タッパウェアに入れてあるのはコースターフというスポンジ。これををまぶします。

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いよいよ地面は着色します。ベースとなる部分に密着した色は自分でコントロールできる色であるべきだと考えています。これはこの上にくるKVの色とあまりにもチグハグにならないようにするってのが前提です。KVがジオラマを想定した物であればそれなりにジオラマと同一の色味を持たせてやりたいところです。何というかその色合いが違い過ぎると浮いちゃうというかKVが沈んでしまいます。

主人公であるはずのオブジェクトが目立たないのでは話にならないからですね。

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一旦茶色となります。河底になるところはブラックを足し、岩に見えるところはさらにホワイトに振りました。この部分は動画でもご確認ください。

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草地にグリーンを足します。タミヤアクリルを使用しています。エアブラシでディープグリーン。

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ライケンで低い木を作ります。ただこれもこのままじゃライケンすぎるので上からシーナリーパウダーで見た目を細かくすることにしました。

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水作業になります。最初に水の中に沈めてしまいたいものを地面に固定しておきました。

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昨日の記事にも紹介しておりますデブコンETです。透明感があり黄色くなりにくい物ですね。高価なので使いどころと使用する量を出来るだけ計算してはじき出しておきました^^;

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スケールの上で0スタート。硬化剤:主剤は1:2の重量比で固まります。主剤の方に着色しておくといいそうです。私途中で思い出して慌ててブラウンを入れています。そのシーンが収録されています^^;

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デブコンを流し込んでいますね。デブコンはある程度時間をかけてゆっくりと固まりますので気泡抜けも良いです。これなら大丈夫だと思えました。肉痩せが全くないわけではないのでこの部分はよく観察しながら行うべきでしょう。あまりにも痩せているときは硬化後に一層足すことも考えるかもしれません。

今回の最大の反省点。上の写真にもありますが、目張りです。この目張りはアクリル板を使うべきでした。テープでやれる範囲を大幅に超えていましたね。それとせっかくのレジンの艶を側面に出しきれていません。ほんとここはもったいないことをしたと猛省するところでした。アクリル板でツルツルの状態にすることの利点は側面からこの水を見たとき、例え濁っていても水っぽいな。と缶汁られるところなんです。私このとき相当焦っててこの日のうちにこのデブコンを流さないと駄目だと急ぎ作業をしてしまったんですね。反省ですね。pp板をカットして壁面を作りくらい1時間足せば出来る作業なのに、こういったところ次回への反省点として反映させねば。

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おまけにテープ目張りのわるいところをお見せします。若干の漏れがありました。もしもの時にpp板の上に雑巾を置いてその上にジオラマを置いてて正解でしたね。

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超音波カッターでヘリのギザギザをカットします。高価なものですが他にない便利さがあります。

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水面が出来ました。こちらジェルメディウムで水面の模様を描いてあります。

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100均の水性ペンキです。悩むことなくブラック一色。

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壁面は黒で良い。考えるだけ損だ。他にもありますけどどうせ茶色か深緑くらいです。絵として考えるとここは額縁でもありますな。

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最後に水であることでリキテックスのグロスポリマーを塗って完了。

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オブジェとして木の根っこをツル系の植物を横に這わせました。シタデルの透明系の塗料で着色します。

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爪楊枝で配置位置を明示していたところに置き換えていきます。

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この木はKVに押しつぶされています。

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若干の外向きに生やすと林の中に動きや広がりを感じられるかな。

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茶色の線が差し色になるのでツル系の植物オブジェクトを横に這わせることにしました。木とKVはどちらかというと縦の世界です。もちろん地面にある石と草も上下の関係です。ここにうねうねとした木や植物がはい回っている状態はとても良いアクセントになりました。

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